(本メモは JPNIC 文書ではありません)             1997年 8月     
                                                  2001年 7月23日 修正

                        AS 番号の割り当てについて


AS 番号は Autonomous System の識別子であり、2 オクテットの整数値を持ち、
NIC によって異なった AS に同一の AS 番号が割り振られないように管理され
ている。JPNIC では、APNIC より委譲(delegation)を受け、国内の必要な組
織に対する AS 番号の割り当てを行なうところであるが、AS 番号の割り当て
は経路制御方式およびその実装・運用と密接に関連していること、国内での 
ASの運用の実績が(当時)少なかったこと、JPNIC での AS 番号割り当て業務
の準備が整っていないことなどから、JEPG/IP にその業務が委任されて現在に
至っている。

AS 番号は経路制御におけるポリシの単位であり、EGP および BGP において用
いられる概念である。ある組織が AS 番号を取得するべきかどうかという基準
に関しては、
        BCP 6/RFC 1930: Guidelines for creation, selection, and
                registration of an Autonomous System (AS)
に記されている。

ある組織が複数のプロバイダに接続する、いわゆるマルチホーム接続において、
相手組織単位でプロバイダの選択を行なうためには、双方のプロバイダから必
要な経路情報の供給を受ける必要がある。インターネットの発展に伴い、
default を含まない完全な経路表は 30,000 エントリを越えており、多くの経
路制御プロトコルでは容易に取り扱える量ではない。現在、唯一実装され、運
用されているのは、完全に incremental な経路情報の更新を行なう BGP-4
(RFC1771) である。そのため、マルチホームの経路選択において BGP-4 によ
る経路の供給を受けるために AS 番号が必要になる。IETF CIDRD WG では、こ
の事態に対応するため、64512 -- 65535 の上位 1024 個の AS 番号を 
``Private AS Numbers'' として扱うことにした。この番号は、インターネッ
トの経路制御におけるポリシを表現することはできないが、BGP-4 による経路
供給を受けるには十分である。従って、マルチホーム接続の経路選択には、極
力この ``Private AS Numbers'' を使用して頂きたい。

さて、先に述べた理由で、JPNIC において正式な業務が開始されていないため、
申請書式も整備されていない。そのため、暫定的に、以下の書式を使用された
い。なお、この書式は RFC1786: ``Representation of IP routing Policies
in a Routing Registry (ripe-81++)'' の ``6. The Autonomous System
Object'' に準拠したもので、不明の点は RFC1786 (RIPE-181)を参照して頂き
たい。なお、記入はすべて英文(いわゆる半角文字のみを使用して)でお願い
したい。          ~~~~~~~~~~

現在の割り当て基準は、複数の外部接続を持つプロバイダには割当を行ない、
                      ^^^^
その他の場合には、上記インターネットドラフトを元に決定する。したがって、
書式中のポリシ記述の as-in:、as-out: はそれぞれ複数行必要である。

申請書式の解説

descr:          ASNAME
descr:          ORGANIZATION
as-in:          AS-IMPORT-POLICY
as-out:         AS-EXPORT-POLICY
tech-c:         TECH-CONTACT
admin-c:        ADMIN-CONTACT

ASNAME には、AS 名を記して下さい。ASN-xxxx という名前が多い様ですが、
特にこの naming convention には拘りません。
ORGANIZATION には組織名を記して下さい。
AS-IMPORT-POLICY および AS-EXPORT-POLICY には AS の運用ポリシを 
RFC1786 に従って記述して下さい。隣接 AS が AS2500 および AS2907 の場合
で、経路を全て受理し、ローカルな経路を全てアナウンスする場合には、
        as-in:  from AS2500 100 accept ANY
        as-in:  from AS2907 100 accept ANY
        as-out: to AS2500 announce LOCAL
        as-out: to AS2907 announce LOCAL
と記して下さい。Keyword "LOCAL" は本書式のためだけのもので、local AS 
に属す経路全てを意味します。隣接 AS が AS2501 だけの場合には、
        as-in:  from AS2501 100 accept ANY
        as-out: to AS2501 announce LOCAL
となります。
TECH-CONTACT には技術連絡担当者の (JP)NIC ハンドルを記入して下さい。
ADMIN-CONTACT には運用責任者の (JP)NIC ハンドルを記入して下さい。

記入例:(あくまで例で、現実のものとは異なります)

descr:          ASN-WIDE
descr:          WIDE Project
as-in:          from AS2501 100 accept ANY
as-in:          from AS2907 100 accept ANY
as-in:          from AS2497 100 accept ANY
as-out:         to AS2501 announce LOCAL
as-out:         to AS2907 announce ANY
as-out:         to AS2497 announce ANY
tech-c:         AK003JP
admin-c:        JM002JP


以下の書式を利用し、全て英文で記入して下さい。申請先は

        request@ip.nic.ad.jp

にお送り下さい。なお、その際、Subject: には AS Number Request と英文で
(いわゆる全角文字ではなく、半角文字で)記入して下さい。また、1週間を
過ぎても応答がない場合には、再送して下さい。

                                                JPNIC IP/AS-WG 
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                        AS番号割当申請書

descr:          
descr:          
as-in:          
as-out:         
tech-c:         
admin-c:        
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更新履歴
  2001/07/23	文章中で混乱を招く部分を削除


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