(本メモは JPNIC 文書ではありません)			1997 年 8 月

			AS 番号の割り当てについて


AS 番号は Automonous System の識別子であり、2 オクテットの整数値を持ち、
NIC によって異なった AS に同一の AS 番号が割り振られないように管理され
ている。JPNIC では、APNIC より委譲(delegation)を受け、国内の必要な組
織に対する AS 番号の割り当てを行なうところであるが、AS 番号の割り当て
は経路制御方式およびその実装・運用と密接に関連していること、国内での 
ASの運用の実績が(当時)少なかったこと、JPNIC での AS 番号割り当て業務
の準備が整っていないことなどから、JEPG/IP にその業務が委任されて現在に
至っている。

AS 番号は経路制御におけるポリシの単位であり、EGP および BGP において用
いられる概念である。ある組織が AS 番号を取得するべきかどうかという基準
に関しては、
	BCP 6/RFC 1930: Guidelines for creation, selection, and
		registration of an Autonomous System (AS)
に記されている。

ある組織が複数のプロバイダに接続する、いわゆるマルチホーム接続において、
相手組織単位でプロバイダの選択を行なうためには、双方のプロバイダから必
要な経路情報の供給を受ける必要がある。インターネットの発展に伴い、
default を含まない完全な経路表は 30,000 エントリを越えており、多くの経
路制御プロトコルでは容易に取り扱える量ではない。現在、唯一実装され、運
用されているのは、完全に incremental な経路情報の更新を行なう BGP-4
(RFC1771) である。そのため、マルチホームの経路選択において BGP-4 によ
る経路の供給を受けるために AS 番号が必要になる。IETF CIDRD WG では、こ
の事態に対応するため、64512 -- 65535 の上位 1024 個の AS 番号を 
``Private AS Numbers'' として扱うことにした。この番号は、インターネッ
トの経路制御におけるポリシを表現することはできないが、BGP-4 による経路
供給を受けるには十分である。従って、マルチホーム接続の経路選択には、極
力この ``Private AS Numbers'' を使用して頂きたい。

さて、先に述べた理由で、JPNIC において正式な業務が開始されていないため、
申請書式も整備されていない。そのため、暫定的に、以下の書式を使用された
い。なお、この書式は RFC1786: ``Representation of IP routing Policies
in a Routing Registry (ripe-81++)'' の ``6. The Autonomous System
Object'' に準拠したもので、不明の点は RFC1786 (RIPE-181)を参照して頂き
たい。なお、記入はすべて英文(いわゆる半角文字のみを使用して)でお願い
したい。          ~~~~~~~~~~

現在の割り当て基準は、複数の外部接続を持つプロバイダには割当を行ない、
		      ^^^^
その他の場合には、上記インターネットドラフトを元に決定する。したがって、
書式中のポリシ記述の as-in:、as-out: はそれぞれ複数行必要である。

申請書式の解説

descr:		ASNAME
descr:		ORGANIZATION
as-in:		AS-IMPORT-POLICY
as-out:		AS-EXPORT-POLICY
tech-c:		TECH-CONTACT
admin-c:	ADMIN-CONTACT

ASNAME には、AS 名を記して下さい。ASN-xxxx という名前が多い様ですが、
特にこの naming convention には拘りません。
ORGANIZATION には組織名を記して下さい。
AS-IMPORT-POLICY および AS-EXPORT-POLICY には AS の運用ポリシを 
RFC1786 に従って記述して下さい。隣接 AS が AS2500 および AS2907 の場合
で、経路を全て受理し、ローカルな経路を全てアナウンスする場合には、
	as-in:	from AS2500 100 accept ANY
	as-in:	from AS2907 100 accept ANY
	as-out: to AS2500 announce LOCAL
	as-out: to AS2907 announce LOCAL
と記して下さい。Keyword "LOCAL" は本書式のためだけのもので、local AS 
に属す経路全てを意味します。隣接 AS が AS2501 だけの場合には、
	as-in:	from AS2501 100 accept ANY
	as-out: to AS2501 announce LOCAL
となります。
TECH-CONTACT には技術連絡担当者の (JP)NIC ハンドルを記入して下さい。
ADMIN-CONTACT には運用責任者の (JP)NIC ハンドルを記入して下さい。

記入例:(あくまで例で、現実のものとは異なります)

descr:		ASN-WIDE
descr:		WIDE Project
as-in:		from AS2501 100 accept ANY
as-in:		from AS2907 100 accept ANY
as-in:		from AS2497 100 accept ANY
as-out:		to AS2501 announce LOCAL
as-out:		to AS2907 announce ANY
as-out:		to AS2497 announce ANY
tech-c:		AK003JP
admin-c:	JM002JP


以下の書式を利用し、全て英文で記入して下さい。申請先は

	request@ip.nic.ad.jp

にお送り下さい。なお、その際、Subject: には AS Number Request と英文で
(いわゆる全角文字ではなく、半角文字で)記入して下さい。また、1週間を
過ぎても応答がない場合には、再送して下さい。

JPNIC での準備が整っていないため、割り当て結果は JPNIC の whois データ
ベースから検索することはまだできません。AS 番号の割り当ては、APNIC の
データベースに反映されますので、whois.apnic.net を参照して下さい。なお、
APNIC での書式は AS のポリシ記述の部分の文法が若干 RFC1786 とは異なっ
ていることに注意して下さい。

						JPNIC IP/AS-WG 
----------------------------------------------------------------------
			AS番号割当申請書

descr:		
descr:		
as-in:		
as-out:		
tech-c:		
admin-c:	
----------------------------------------------------------------------